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とみるの映画日記

映画の感想。ネタバレちゅううい。

鍵泥棒のメソッド

レビュー二作目にして邦画です。

おもしろかった。素直に。

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正直もっと、スピード感があるというか、いい意味でガチャガチャしてるのかと思って見たら、むしろひとりひとりじっくり描いてある。

 

金がなくて役者としてもいろいろ終わってて死んじゃおうとしてる俳優のたまご35歳の桜井(堺雅人)が、むしゃくしゃしながら銭湯に行ったら、風呂場で滑って転んで記憶喪失になった殺し屋コンドウ(香川照之)と、出来心で入れ替わってドタバタする話。

そこに、34歳女性の雑誌編集長・水島(広末涼子)がからんでくる。水島は病床の父親を安心させるために早急に結婚相手を調達?しようとしてるひとで。たまたま出会ったコンドウと親しくなり、求婚してしまう。と。

記憶喪失のコンドウは、銭湯での所持品から自分は桜井という売れない役者だと思い込んで、絶望したりしながらも、いちからお芝居の勉強をはじめて頭角を現したりしてしまったり。

コンドウはもとから几帳面でまじめな性格なので、その片鱗が出てるところがおもしろい。桜井のアパートのきたない部屋がきれいに片付いてたり、記憶喪失なのに人間関係には段階が必要と思ってたり。

あと桜井の服がぜんぜん似合ってないコンドウもおもしろい。衣装が絶妙。

エキストラ出演した撮影でチンピラ役に抜擢されて、スタッフにほめられ「いいよ、悲壮感ハンパない」とか言われてるのおかしかった。

 

もう、役者さんがみんなすばらしかった映画。

コメディをやることはやっぱりすごいなと思った。

どの役者さんもディテールの表現がうまいので、お芝居の世界観にスッと引き込まれて笑える。素直に。

香川さんなんて、殺し屋のときと記憶喪失のときと、別人みたいに顔が違う!

堺雅人さんは全身でダメおとこやってて気持ちいいんだけど、ところどころ、ドラマ「リーガルハイ」の古美門せんせいを彷彿とさせる活きの良さというかゴムまりみたいなマンガ感があってすごく魅力的。

広末さんは、すごいまじめで頑固で意志の強い、でもそれが過ぎてちょっと浮いてる編集長の役。あんなに美人なのに、合コンのシーンではちゃんと浮いてて、美人にみえなくてすごい。

 

現代の日本が舞台なんだけど、デフォルメされた設定とキャラクターでなんか寓話みたいな感じがする。コメディだからなんだけど。

 

とにかく役者さんの妙技にのっかって楽しめる映画。エンタテインメント。

内田けんじ監督の脚本もわかりやすくてみやすくて言葉がシンプルで、でもコミカルでよくできてるんだなあ。